第33話
私:
―!
男②:
ちょっ…危ねーな!
力任せに開けんじゃねーよ!!
男③:
仕方ねーだろ、立付けが悪かったんだから…
男②:
中は…
何だよ、結局何も入ってねーじゃんか!
前にいたヒロの隙間から祠を見ると、男子の言う通り、中には何もなく、ただただ…がらんどうのような空間が広がっていた。
男①:
んだよ…じゃ扉閉めて戻ろうぜ。
男③:
そうだな。
…ってあれ?今度は閉まらねぇ…。
男子が元通り扉を閉めようとしたけど、何度やっても扉は閉まらなかった。
男②:
はぁ?マジで立て付け悪過ぎだろ!
男③:
面倒くせぇ!もうこのままで帰ろうぜ!!
問題児達はもう興味がなくなってしまったらしく、祠の隅を乱暴に蹴り飛ばすと何処かへ行ってしまった。
奈近:
アイツら…本当に罰当たりね。
徹太:
全くだよ。
2人が話している間、私はずっと業報の祠から目が離せなかった。
何だろう…?このドロドロした感じ…
祠の中には何もなかったのに…
光行:
…。
奈近:
…そろそろ昼休みが終わりそうね。
教室に戻りましょ?
徹太:
そうだね。…柄畑さん、行こっか?
私:
う、うん…。
蝶:
次は英語だったわね。
…小広君、早く行きましょう♡
こうして私は一抹の不安を胸に覚えつつもみんなと校舎へ戻ったのだった。
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