第31話

??:

私が小広君を誘ったのよ。


私:

ちょ…蝶…。




顔を覗かせてきたのは、石原蝶(イシハラ チョウ)で、今年の4月に東京から引っ越してきた子だった。


背は低く、綺麗な黒髪は肩より長めで、常にかけている楕円形の赤縁眼鏡との対比が非常に美しい。


その外見から男子には相当モテるんだけど、物をハッキリと言っちゃう節があって大半の女子からは嫌われている。




…ちなみに言動から見てとれるように、この子もヒロの事が好きで、私とはライバル関係にあたる。




そんな彼女は私に向かって嬉しそうに語り出した。




蝶:

光行君がこの祠の噂を教えてくれてね!

小広君に話してみたら、知らないって言うから"一緒に"見に来たの。


奈近:

…みっちゃん、やってくれたわね…。

道理で…教室に寄ってみたら居ないわけだわ。


光行:

てへ☆


私:

葉立さん…貴方って人は!




私とチカが二人がかりで葉立さんに詰め寄ると、ヒロが何かに気付いたように口を開いた。




徹太:

あれ?何か祠の辺りが騒がしいよ?




見ると、いつの間にか祠の前に同じ学年の男子が3人立っていた。


確か…こいつらは柄が悪いことで有名な3人だったはず。




そう考えていると、その中の一人が何か話し始めた。

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