第30話

??:

その声は…

やっぱり!柄畑さんに沼田さん。




その男子の名前は小広徹太(コビロ テッタ)。

身長は男子の平均位で、サラサラの黒髪に、顔には少しそばかすがある。


彼はスポーツ万能で面白く、クラスのムードメーカー的存在で…




実は、私の好きな人。




彼はよく周りの人達から『ヒロ』と呼ばれていた。




私:

あ…ヒロ!


奈近:

あら。


光行:

…おい、ヒロ。俺は?




葉立さんが苦笑いで自分を指差すけど、ヒロはそれを鮮やかにスルーして私達と話を続ける。




徹太:

2人も祠を見に来たの?


私:

うん、ちょっとした好奇心でね。

…も?ってことはヒロも?


徹太:

うん。


光行:

…お~い、無視すんな~。




葉立さんが声をかけるけど、ヒロは更にスルーした。


今度はチカまで葉立さんをスルーして会話に入ってくる。




奈近:

…でも珍しいわね。

ヒロが自分からこんなところに来るなんて。


徹太:

いや、自分からじゃなくて―




ヒロが言葉を区切るとヒロの隣から小さい人影が顔を出した。

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