第29話

私達3人は道なき道を祠目がけて進んでいく。




しばらく歩くと急に開けた場所に出た。




それまでは背の高い草が青々と繁っていたのに、その部分だけが砂地になっていて、途中から石材が敷かれている。


…きっと昔は整備されていたんだろうな。




そこにはもうお昼休みが終わりそうなのに、まだたくさんの人がいた。




私:

わぁ…人いっぱいだね。


奈近:

そうねぇ…

あ!はた、見えたよ!あれじゃない?例の祠!




その開けた部分の中央には木で出来た小さな古びた祠がぽつんと建っており、その扉は閉められていた。




みんなは近寄りがたいと感じたのか、3、4mくらい離れた所で遠巻きに見ている。




私:

あれが"業報の祠"…。


光行:

へぇ…。

俺も初めて見たけど、案外ちゃんとしたやつなんだね。




私達が祠を見て話していると、不意に私の前にいた男子がこっちを見た。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る