第26話
光行:
先生、無理矢理は良くないです。
セクハラで訴えられても知りませんよ~。
私:
は、葉立さん…。
葉立さんは走ってきたのか、息を荒げ、肩を激しく上下させている。
光行:
それに俺らこれから行く所があるんで、またの機会にしてください。
加島:
…そうかい?
なら…また今度にしようかな?
君も、急に腕掴んじゃってゴメンね。
先生はゆっくりと掴んでいた腕を放すと、労わるかのように私の顔を見てきた。
私:
はい…。
奈近:
あー…
じゃあ、私達そろそろ行きますね。
加島:
うん、時間のある時にまたおいで。
光行:
じゃ、失礼しましたー。
ぴしゃり。と再び勢いよくドアを閉めると葉立さんは私達の方を向いて口を開いた。
光行:
あーもー!
用務員室出たら祠まで直行するんじゃなかったのかよ!!
奈近:
ご、ごめんね。みっちゃん…
でも何でそんなに加島先生を敵視するの?
光行:
…俺、アイツ嫌いなんだよ。
手が早いっていうか、油断がならない…みたいな感じがする。
葉立さんは落ち着きがなく、イライラしながら廊下を行ったり来たりしている。
私はさっき加島先生に掴まれた所を押さえながら葉立さんにお礼を言った。
私:
あ、あの…
葉立さん、ありがとう。
光行:
それは構わないけど、柄畑さんも!
もう少し警戒心持ってくれないと…純粋過ぎて見てるこっちが怖いよ…。
私:
う、うん…ゴメン…。
私も、ちょっと怖かった。
そう言うと、葉立さんは大きく息を吐き出し、私を見る。
光行:
分かってくれたなら良かった。
…今度からは気を付けてね?
じゃあ、祠に行こうか。
こうして私達は昇降口を出て、校庭に足を踏み入れたのだった。
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