第25話
用務員室を出て、廊下を歩いているとチカが話しかけてきた。
奈近:
用務員のお兄さん、カッコいいよね~♡
確か…常盤信也さんって名前なんだっけ。
私:
…ちょっと、チカ。
自分には彼氏がいるんじゃなかったの?
奈近:
いるよ~。いるけど、何ていうのかな?
用務員のお兄さんは鑑賞用って感じがする。
私:
何それ。
自分に都合良すぎでしょ。
奈近:
いーの。
イケメンは目の保養だから。
そう言うとチカは何かを思い出したように私の手を引っ張った。
奈近:
そうだ!
もう一人いるじゃない…イケメンが。
私:
ちょっと、どこ行くの?
奈近:
いいから、いいから。
そう言ってチカは保健室の扉をノックした。
奈近:
失礼しまーす。
中に入ると保健医の加島先生が書類を書く手を休めてこちらを見た。
加島:
おや、どこか具合が悪いのかな?
奈近:
いえ、ただヒマなので覗いてみただけです。
…お邪魔でした?
加島:
いや、君みたいにカワイイ子なら大歓迎だよ。
私:
あ、あはは…。
加島先生って、確かにイケメンの部類だけど…私はなんか好きになれないんだよね。
何処かミステリアスな感じもするんだけど、それと同時に時々底知れない怖さを感じる。
そう思っていると、先生は私の腕を掴んできた。
加島:
少しお茶していかない?
お茶と簡単なお菓子くらいなら出すよ?
私:
え?いや…あの…。
先生に腕を掴まれたことに対して戸惑っていると、保健室のドアが勢いよく開いた。
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