用務員と保険医 【夏穂side】
第24話
葉立さんがトイレに行くのを見送った私達は用務員室の扉をノックした。
用務:
どうぞー。
私:
失礼します。
用務員室に入ると、中には短髪で緑色の迷彩柄の作業服を着たお兄さんがいる。
この人が笹風学園の用務員さんで、いつも花壇の世話をしたり、鍵を管理してくれる真面目で優しいお兄さんだった。
用務:
お、君らは前にお菓子を差入れしてくれた…。
あれ、美味しかったよ。ありがとう。
用務員さんが言っている差し入れとは、前の調理実習で作りすぎたムースの事。
余分に作りすぎてしまい、誰にあげようかと考えた時に、いつもお世話になっている用務員のお兄さんにあげようということになったのだった。
私:
いえ、いつも校内を
綺麗にしていただいてるお礼でしたから。
用務:
そうかい?
そういえば、最近学生間で七不思議が流行っているようだね。
…何でも、昨日はその内の1つが実際に見つかったんだとか。
奈近:
はい、これからはたと見に行くんです。
用務:
青春を謳歌する事はいいけど、危ないことは程々にしなよ?
優しく微笑んで私達に忠告するお兄さんは本当に私達を心配しているようだった。
奈近:
では、この辺で失礼します。
用務:
うん。
じゃあ、またね。
私達は用務員さんに別れを告げて用務員室を後にした。
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