第23話

1階に降りてきた俺達はそのまま廊下を進んで行く。


途中、理科室の前で小さな爆発音とガラス類が割れる音が聞こえた。




部員:

ぎゃああ!火がぁぁ!!


部長:

何やってんだ!いいからガスバーナー外して火を消せ!!


部員:

うぁぁ…はい!!


先輩:

…!バカ、そっちは逆…


部員:

え…ぎゃああああ!!




昼休み中に実験をしていた科学部員達の声だろう。


声…というよりは阿鼻叫喚の方が正しいかもしれないが。




奈近:

なんか…すごいね。


俺:

ああ。

何でも今年入ってきた1年の中に超絶不器用で、必ず何かしら問題を起こして失敗する奴がいるらしいよ。


夏穂:

そ、そうなんだ…。




そんな話をしてたら、柄畑さんが急に立ち止まって口を開いた。




夏穂:

あ、そうだ。

用務員室に寄ってもいい?




…え!?


今…用務員室って言った!?




奈近:

いいわよ~。


俺:

いいけど…俺、トイレ行ってきてもいい?


奈近:

別にいいけど…。

お昼休み終わっちゃうし、先に行ってるわよ?


俺:

うん、それでいいから。

…じゃ、そういう事で!!




そう言うと俺はダッシュでトイレに向かって走った。

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