第20話

この件に俺が無関係だと分かって、柄畑さんはう~んと考え始めた。




夏穂:

でも、ホントに何処行っちゃったんだろ…


俺:

…はっ!もしかして…

柄畑さんの事が好きなどこぞの男子が持ち去ったんじゃ…!!




…有り得る!!


柄畑さん超絶カワイイし、変な男子に目を付けられたのかもしれない!!




瞬時にその考えに辿り着いて、俺は該当しそうな男子を頭の中で割り出し始めたけど、柄畑さんはそれを即行で否定した。




夏穂:

ないから。


俺:

…何で?

どうしてそう言い切れるの?


夏穂:

だって葉立さん含め3人以外は私と目を合わせるだけで怯えられるんだよ?

ただ足が速いってだけで…




その言葉に俺は一つの情報を思い出す。




俺:

"瞬速の柄畑"…か。

足速くて、力が強いんじゃ確実にシメられるって思っちゃうもんね。


夏穂:

何か言った?




俺が余計なことを言ったため、柄畑さんの顔から急速に感情が消えていく。


や、ヤバい…。




俺:

い、いや…

何かの聞き間違いじゃないかな…?


奈近:

ハイハイ、そろそろ次に行きましょ。

お昼休みは無限にある訳じゃないんだから。




沼田が手を叩いて俺らの絡みを終わらせると、柄畑さんは沼田の顔を見た。




夏穂:

あれ?チカ、教室に用があったんじゃないの?


奈近:

あー…、あれはもう大丈夫。

気のせいだったみたい。


夏穂:

そう?じゃあ行こっか。




そして俺達は教室を後にした。

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