1、2年のフロア 【奈近side】

第9話

私:

…にしても。


光行:

ん?どうした?


私:

な・ん・で!みっちゃんまで来るのよ。


光行:

柄畑さんがいるから。




私が後ろにピッタリとついてくるみっちゃんにそう言うと、まるで問題がないかのように彼はケロリと答える。




私:

私は、はたと行くって言ったの!


夏穂:

ま、まぁまぁ…。チカ、落ち着いて。


光行:

それに、大勢の方が楽しいじゃん?




私をなだめるはたを他所に、みっちゃんは楽しそうにそう言い放つ。


確かに、そうだけど…。




光行:

俺もまだ見たことがないから見てみたかったんだよね~!




最早ついてくる気マンマンのみっちゃんを見て、私は言葉を飲み込んだ。


このやり取りは不毛だ…。




私:

…分かったわよ。

その代わり、他の人にも声かけてみましょう。


夏穂:

そうだね。


光行:

さんせー!




ワーイ!と言わんばかりに喜ぶみっちゃん。


…本当にちっちゃい子供みたい。

見た目はいいんだから、大人しくしてればいいのに。


そんな事を考えてたら、はたが問いかけてきた。




夏穂:

…で、誰誘うの?


私:

まずは、ここね。




私はそう言って、手近の引き戸を開けた。

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