第3話

チカがそう言っておかずのベーコン巻に箸を付けた時、屋上の入り口から声が聞こえてきた。




??:

違うよ。

みんなは噂になってる祠を見に行ってるんだ。




ドアを開けて入ってきたのは、背が少し高く、明るい茶色のサラサラな髪が少し長めの全体的に整った顔の男子だった。




私:

は…葉立さん?


奈近:

…うわ、出た。




彼の名前は葉立光行(ハダテ ミツユキ)。

同じクラスで底抜けに明るく元気、容姿端麗、成績優秀、スポーツ万能…これだけ長所があれば、かなり女子にモテそうなんだけど…




光行:

そこ、露骨に嫌がらない!


奈近:

みっちゃんが絡むと面倒臭いのよね…。


光行:

面倒臭いって何だよ!

俺は愛しの柄畑さんの行く所には何処でも現れるってだけだ!


私:

…それストーカーだし。


奈近:

ストーカーね。




…この通り私を好きになってからというもの、彼は他の女子には一切興味がないらしい。

しかも、彼はどこから聞いてきたのかというような細かい情報まで掌握しているらしく、3年生の間では「校長室を盗聴しているらしい」という噂が立っており、悪い意味で有名だった。

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