第3話   キョウコ

キョウコが「分かったわよ。じゃ、好きにしたら良いでしょう?」とそっぽを向いた。

ヤスコは「やったー。これでやっと解放される」と嬉しそうにして居た。

キョウコは「何よ。笑いたきゃ笑えば良いじゃないの」と憎まれ口しか言えなくなってしまったのは、過去ユキノと言うクラスメイトが居て「あいつ居るでしょう?キョウコ。いつも愛想振りまいて居るアイツがムカつく」とキョウコに目をつけたのだ。

キョウコは「おはよう。ユキノさん」と笑顔で会釈をすると、ユキノが「あんたみたいにいつも愛想振りまいている奴が嫌いなの。早く死んじまえ」と睨みつけた。

キョウコは「えっと、そんな気持ちで居ないよ。私は、ただ皆と仲良くしたかっただけ」と話を始めた。

ユキノが「だから、そう言うのが目障りなのよ。どっか行ってくれないかな?」と泣いて居たキョウコに対して冷たく突き放した。

キョウコがトイレに入ろうとすると、「あら、ごめんなさい。手が滑っちゃった」とあはははと笑って立ち去って行くユキノ達はバケツの中に水を入れて、キョウコの方に水を浴びせた。

キョウコは「何で私何もして居ないのに、こんな目に遭わなきゃならないの」と泣き崩れそうになりながら、制服を体操服に着替えて居た。

極め付けは、机に「死ね、バカ、アホ」と書かれて居たものがあって、キョウコの心に傷をつけていた。

キョウコは友達からも「あんたみたいにさ。誰にでも愛想を振りまいているから目をつけられるの。そういうの辞めたら?」と無視されて、結局1人にさせられてしまった。

キョウコは「人を信じたって所詮裏切られるだけだ。こんなに人を信じて尽くしたところで何もならない」と心に小さな穴がポッコリと空いていた。

それからキョウコは人に笑われたら、自然と人を睨む様になっていた。

人に心を許す様な事は、あまりしなくなった。

他人を恨んで、他人に対して親切にする心をだんだん失くしていった矢先、ヤスコに出会ったのだ。

そんな過去を知って居るのは、ただ1人、当時仲良かったユウミだった。

ユウミは「キョウコ、最近何かあった?」と聞いて来たので、キョウコは「何も無い。ただ、私の事を気に入らなくてイジメるユキノって人が居るから、私もあまり、ユウミに迷惑をかけたく無いの」と本当の私もイジメられたくないと話をする事がユキノに出来なかった。

あの時のヤスコを見ていると、キョウコは昔の私を見ている様な錯覚を憶えたのだった。

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