第2話 メルヘンチック
夏希が「何それ?うけるんだけど」と笑っていた。
瑞歩がいつにもまして真面目な顔で「ね?勿忘草に宿る妖精が居るんだよ」と夏希達に話すと夏希が「へ?もしかしておかしいんじゃないの?」とにやけて笑っていた。
瑞歩が「本当に見たの」と話し掛けても、夏希は「そんなの要る訳ないでしょ?」と信じてくれなかった。
夏希が「どうせ、メルヘンチックなアニメでも見たんでしょ?」と瑞歩の話は上の空で聞いてくれなかった。
瑞歩は勿忘草を見に青い小さな花が今日も咲いていた。
瑞歩が「綺麗だな?もう、誰も私の事を信じてくれないけど、私は妖精が居ると信じているよ」と独り言をつぶやいていた。
勿忘草が光を放ち、リリベルが「あら?瑞歩。今日も一人なの?」と話し掛けてきた。
瑞歩が「リリベル、こんにちは」と挨拶をした。
リリベルが「瑞歩は私たちが見えるのね?それは、私達を信じているからよ」と話し掛けた。
瑞歩が「へー、リリベルを信じていない人からは見えないんだ」と返事に答えた。
リリベルが「そうよ。だから、私が見えるのは信じているという証拠」と明かした。
もう一人の妖精が来て「リリベル、今何をしていたの?」と声を掛けた。
リリベルが「チャペル?どうしたの?私は、瑞歩と話をしていたの」と話をすると、チャペルが「また訳の分からない人と話をして、長老のルベルに怒られるわよ」と注意をした。
リリベルが「チャペル、良いのよ。瑞歩は良い人で、そこら辺の人とは格が違うのよ」と声を掛けた。
チャペルが「どうだかね?でも、私達が見えて居るって事は、そこら辺の人とは違うのかもしれないわね?」とリリベルの話を信じた。
瑞歩が「もう一人の妖精は何て言うの?」と声を掛けると、リリベルが「チャペルよ。よろしく」と紹介をした。
瑞歩が「へー、チャペルか?よろしくお願いします」とお辞儀をした。
チャペルが「ま、ご丁寧に。よろしく。瑞歩」と瑞歩に挨拶をした。
そこへ夏希が来て、「げ、メルヘンチック瑞歩だ。逃げよう」とくるりと身体を回れ右した。
瑞歩が「あ、逃げちゃった。何でこっち来るなり逃げるのだろう」と夏希に対して疑問に思っていた。
リリベルが「あの子知り合い?」と尋ねて来たので、瑞歩が「そうよ。あれは夏希。前は沢山話してくれたのに、最近は避けられているみたい」と声を掛けた。
瑞歩が「そろそろ帰らなきゃ、ばいばい」とその場でチャペルとリリベルに手を振って帰って行った。
そこの電柱に夏希が居て、「さっきから一人で何を喋って居るのかしら?」と疑問に思って覗き込んでいた。
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