勿忘草

影山 みはつ

第1話  夏希

城田 夏希は、中学の部活で陸上の幅跳びをしていた。

バタンとマットが音を立てた。

瑞歩達が「きゃー、カッコいい」と手を振って応援をしていた。

夏希が「そうかな?あんまり考えてなかったけど、そんなにカッコいいかな?」と汗を搔いてタオルで拭いていた。

瑞歩は、ある意味かっこよくはないが、スラッとせず普通体型の可愛い女の子だ。

瑞歩は「そうだよ。だって、スラッとしていて、シュッとしていてカッコいいし、声もハスキーだし好きだよ」と話し掛けた。

夏希は「ありがとう。私も張り合いがあるよ」と少し嬉しそうにしていた。

瑞歩は「そうだ。公園に勿忘草って言う綺麗な、お花があるんだけど見に行かない?」と声を掛けた。

夏希が「勿忘草って何?よくわからねぇ」と返事に答えた。

夏希が公園の周りを見ると見渡すばかりに勿忘草があったが、「うわ?こんなに?気持ち悪いな。こんなのを見せるために公園まで連れて来た訳?」と嫌な顔をした。

瑞歩が「え?こんなに綺麗なのに・・・。何で見てくれないの?」と悲しそうにしていた。

夏希が「こんなのを見ているよりもテレビを見た方がいいし、こんな時間まで此処に居たら楽しいテレビを見逃しちゃうよ」と瑞歩に声を掛けた。

瑞歩が「うう、花よりテレビ何て」と泣きそうにしていた。

瑞歩が見ていると勿忘草に宿った、妖精が来て「あなた、見ない顔ね?此処に住んでいるの?」と瑞歩に尋ねてきた。

瑞歩は「この近くに住んでいます」と妖精に返事を返した。

瑞歩は「あなた誰なの?」と名前を聞くと、妖精が「私は、勿忘草の妖精でリリベルよ」と返事に答えた。

リリベルが「あら?そのあなたは何て名前なの?」と名前を尋ねられて、瑞歩は「私は、みずほよ。よろしく」と返事をした。

リリベルは「私は、そろそろ夜になると萎(しお)れちゃうから、さようなら」と別れを告げた。

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