第2話  俊也

俊也は「おはよう。頼子」と挨拶をすると、頼子は「あら、おはよう。俊也君。そういえば、優君とは一緒じゃないの?」と声を掛けた。

俊也は「あー、アイツね?その、最近は、勉強が忙しくって朝早くに学校に来て教室で予習、復習していたらしいぜ」と頼子に返事を返した。

優が「おい、いつから僕はそんなにがり勉君になったんだよ。僕は何時だって、みんなと同じ時間に登校しているというのに」と俊也に話し始めた。

頼子が「あ、良かった。さっき俊也君が優君の事を朝早くに来て勉強の予習、復習をしているから、てっきり教室に居るものかと思ったわ」と優に返事をした。

俊也が「俺、なんか勘違いしていたみたいだな」と優に声を掛けた。

頼子が「どうりで、なんか変だなって思った」と横目で俊也を見ていた。

俊也が「ごめん。まさかもう、学校に居るのかと思っていたから。つい」と冷や汗を掻いていた。

優が「じゃ、何で僕が早めに学校へ来るなんて言ったの?」と俊也を問い詰めた。

俊也が「それは毎日俺より、成績が良いからに決まっているだろう?」と優の返事に答えた。

頼子が「だから、そんなにムキになって言い訳をしていたのか?」と変に納得していた。

学校が終わるころ、秋子が「お疲れ様、お兄ちゃん」と声を掛けようとしたら、俊也が来て「何を2人で話をしているの?」と視線を向けた。

頼子が「こらこら、あんたが図々しく来たら、離せないことの一つや二つあるでしょう?辞めなさいよ」と俊也に注意をした。

俊也が「ちぇ、お前に言われるほど落ちぶれちゃいないよ」と頼子に話しかけた。

優が「で?話ってなんだよ」と秋子に声を掛けると、秋子が「あぁ、何でもないのよ。後でもいいし」と話を終わらせた。

優が「気になるな」と話をすると、頼子も「私も何かあったら話を聞くからね」と秋子の返事に答えた。

秋子が「ありがとう」と涙を目に浮かべていた。

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