第2話  あんた

ユウが「な?さっきから後ろ付いてきている奴が居るよ」とアオイに声を掛けた。

アオイが「え?まさか・・・、こっちに来ているの?あのイケメンのミナトじゃない」と焦っていた。

ユウが「シー、静かに」とアオイの口を塞いだ。

廊下の柱で隠れていると、そこへミナトが教室に入っていくのが見えた。

ナナコが「ミナト君?いつの間にそこに居たの?」とミナトの方に顔を向けた。

アオイが来て「あんたね?私にナンパしたと思えば、あんたは誰にでも声を掛けるのね?」と嫌な顔をしていた。

ユウが「あのバカ。気づかれちまっただろう」と小声でアオイを怒っていた。

ミナトが「いつぞやのアオイちゃんだね?何でそんなに僕に楯突くの?」と話し掛けられて、アオイが「え?それはもちろん、私だけを見てほしいからだよ」とミナトに気持ちを伝えた。

ミナトが「ふーん、少女漫画の読みすぎじゃない?そんなのある訳無いよ」とアオイに返事を返した。

アオイが「うるせぇな。もう、あんたの事なんかどうなったって知らないからね」と怒鳴ってミナトの傍を離れた。

ユウが「おい、待てよ。俺を置いていくなよ」とアオイの後ろを追って行った。

ナナコが「さっきの知り合いなの?追いかけなくていいの?」とミナトに話し掛けた。

ミナトは「良いんだよ。僕にはナナコちゃんが居るから。一緒に帰ろう?」とナナコに声を掛けた。

アオイが「何だよ。アイツ、良い顔をしたと思えば、ナナコって子に声を掛けるし、最悪だ」と睨んで不機嫌そうな顔をしていた。

ユウが「仕方ないだろう?イケメンって奴は心がブスで、見掛けだけだ」とアオイに言い聞かせた。

アオイが「そうなのか。私は、そんな事まで分らなかった。」とユウに話し掛けた。

ユウが「もう、そろそろ帰ろうぜ。俺、もう腹減ったよ」とわがままを言いだした。

帰りに、ユウは「今日、夕飯何する?」と声を掛けた。

アオイは「そうだな?私は、うどんでも何でもいいよ」とユウに話し掛けた。

ユウが「うどんね?分かった」と返事をして、家に帰って、煮込みうどんを作り、アオイに食べさせた。

アオイは「美味しいな?こんなに美味しいうどんを食べられるなら、いつでも家に帰って来て食べたいよ」と嬉しそうにしていた。

ユウが「お前は、本当にお世辞言うのがうまいな」とアオイの顔を見て声を掛けた。

アオイが「だって、私が男だったら絶対ユウを選ぶもん」と顔を膨らまして答えた。

ユウが「良く言うよ。じゃ、うどんをお替りする?」とアオイに声を掛けると、アオイが「うん」と返事をした。

「昔のアオイとユウもそんな会話をしていたな」とユウは心の中で思っていたのだった。

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