清流

 そうやって上司と相談してとりあえず休職した。休職して何日か眠り続けたが、普通に朝起きて朝日を浴びながら散歩するようになった。


 仕事の事を思うと自分を責め続けるので外に出るようになった。最初は図書館や美術館やショッピングモールに出かけた。


 そして主治医と話していきカウンセラーから障害者雇用や障害者手帳のことを教えてもらった。


 市役所やいろんな人の手助けを受けて仕事を転職して引っ越した。


 そうやっていろんな人に手助けしてもらい、薬のおかげか性格も穏やかになっていった。


 妹の結婚もあり何年かぶりに家族に会った。あれほど憎んでいた親はいなかった。


 今なら分かる。家庭を築き子供を育てるには両親ががむしゃらに働くしか無かったのだ。


 そのことに気づいてからたまに実家に帰った。祖父母にも会って話していた。祖父は天に昇る数日前に最後に会った。痩せているが寝込まずこれから竹の子が採れるから一緒に取りにいこうと約束した。


 その約束は守れなかった。祖父の葬式をして落ち着いたら祖母が倒れた。今はたまに両親と墓参りをしている。


 生活はたまに寝込むが落ち着いて生活できている。なにより妹の子供がかわいくてたまらない。この子のためにも働いてプレゼントを買いたいのだ。


 妹弟共に実家から離れている。お正月にたまに集まっている。それぞれ自立したからかほどよい距離を保っている。


 わたしは幸せだ。

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