ひなた
高校はすんなりと受かった。もともと受かりやすいところにして、試験問題を解きまくった。休み時間スキマ時間今までの娯楽時間を勉強にあてた。中学生時代1番真面目に過ごした貴重な時間だ。
そして高校に入ってみると誰もわたしのことを知らないのだ。小学生の時以来の新鮮さだ。
「おはよー」
「おはよー!」
高校に入って1週間ほど。わたしは毎朝自分の机に向かいつつ友だちに声をかける。高校に入ってみるとグループに分かれつつある。
出席番号順で並んで近い席だったので掃除やなんやかんやで一緒に過ごすことの多いのだ。クラスのみんなも話しやすい。今までのように真面目でなければ白い目で見られることもない。
これは後から気づいたが、自分から心を開くと周りも心を開いてくれるのだ。中学までのわたしは周りの子達がうらやましくてたまらなかった。後の成人式に中学の同窓会でびっくりされたのだ。
むしろ今までわたしの周りにいなかったタイプしかいないかもしれない。みんな髪を染めたり、メイクしたりして先生の事など気にもとめないのだ。
わたしは化粧もヘアカラーする事にお金を使うのはちょっと嫌だった。グループの子達もしないし、してもすぐに化粧は落とされ黒髪にされるのだ。そうなると手間とお金がもったいない。そうわたしは面倒くさがりで、ケチだ。たまに眉を整えるくらいでちょうどいい。
そうこうしていると気になる男の子ができた。なぜ好きになったのかおぼえていない。
「リクあの人の事好きでしょー!」
「マリ!そんなことないから!気のせいだから!」
マリからはよくからかわれていて、それがとても心地よい。どうやらわたしは女子からイジられるのが好きらしくドM呼ばわりされている。
「そうじゃんね!ミナミ!」
「うん。めっちゃリクのオーラ?雰囲気?がピンクピンクしてる!」
「ちょっ!!!!聞こえる!」
好きな子にバレたらどうしようと思いつつ、いつ告白しようとか、意識してくれないかな?とか思っているので聞こえた方が良いのかもしれない。
気づけば目で追い話しかけてしまう。あ、また目があった!
「なんだよリクー??」
「なんでもないよ!!!シュウこそ見てるじゃん!!」
なんでもない会話をするだけで嬉しくて口角が上がる。こんなんだからマリとミナミがこっちを見てニヤける。
高校生活は毎日たのしくて仕方ない。わたしの高校は専門高校なので基本的に実習が多い。座っていると眠くて起きていられない私にとって最高の環境だ。
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