第2話 なんで猫やネン?
うちの家族は犬好きである。
というか、同居している、妻の父親が猫嫌いらしく、今まで猫の話はタブーだった。
我が家のアイドル犬であったモカさんは15年一緒に生活していた。
なので我が家ではペットといえば犬がデフォだったのだ。
しかし、実は私は猫が好きだ。子供の頃はキジトラの猫を飼っていた。
その頃は昭和の半ば、バブル前の高度成長期だった。
まあそんなことには関係ない田舎に住んでいたので、猫は放し飼いが当たり前。
よい時代だった。
そんな環境だからスズメやハト、ネズミなどをしょっちゅうベッドに運んで来て驚かされた。
夏の早朝に、ベッドの下でキジが大騒ぎしたので驚いて目が冷めたこともある。
まあそれは良い思い出として、おいといて。
そういうわけで(どういうわけ?)猫を飼いたいと常々思っていたのだ。
そんなときだった。
六月のある日、末の娘が子猫の貰い主を探している人がいるとの情報を持ってきた。
そういうわけで(そんなわけかい)私はいそいそとホームセンターに行ってペットキャリーケージを買い込んでその人の元に向かったのだった。
そこで目撃したのは、間違いなく子猫だった。
まだよちよちと歩くちっちゃな赤ちゃんたち。
夢にまで見た(おおげさ)毛玉。
先に来ていた娘はすでに子猫にまみれていた。
ズボンをよじ登る程に元気な子猫が五頭。
キジトラ、キジトラ、ハチワレ、ミケ、ミケ
そして私はその中からミケの女の子のお世話をすることにした。
決め手は私の靴によじ登ってきたから。
理由なんて案外そんなもんだ。
仕事を抜け出して行った私は、その後会社に戻り、猫の鳴き声を聞きながら仕事をすることになった。もちろん餌や水も用意していたのだ。
そうして新しい家族がやってきた。
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