第3章

第9話

-次の日-


私はクラスの前に立って深呼吸をする。



「よし」



─── ガラガラガラッ



あれ、リクトくんがいない。



「おはよう、リヨちゃん」



後ろから聞こえてきた声にビクッと肩を揺らす。


こ、この声…



「あ、おはよう。リクトくん」


「ちょっと良い?」


「…はい」



清々しいほど分かりやすい笑顔で、そう言ってきたリクトくんに苦笑いを浮かべる。


そして辿り着いた先は、前にリクトくんと話した資料室だった。



「ねぇ別に資料室じゃなくても…」


「チッ、そんな事より俺に言うことあるだろ」



あ、本物のリクトくんだ。ってそんな事、考えてる場合じゃない。


めちゃくちゃ不機嫌な顔してる。



「ご、ごめんなさい」



私は勢いよく頭を下げ、謝った。



「俺が何に怒ってんのか分かってんの?」

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