第8話

本当に調子が狂うな、この笑顔。



「ねぇ、この女だれ?」



隣にいる派手な格好をした女の子が私を怪訝そうに見ながら、そう聞いた。



「クラスの女の子だよ」


「ふーん、そうなんだ」



明らかに邪魔してくんなオーラが凄い。



「それで、何かあったの?何か言いたそうな顔してるけど」



コイツー!!涼しい顔して本当に腹が立つ!!!



「じゃあ言わせてもらうけど、いつまで女の子を取っかえ引っ変えするつもり?それで傷付く女の子が出てきたらどう責任とるの?もう良い加減やめなよ、そういうの。自分が苦しくなるだけだよ?」



私は思ったことを全て口にした。



「言いたいこと言えてスッキリした?」


「え?」



リクトくんは案の定、キレることなく貼り付けたような笑顔でそう言ってきた。



「あのさぁ、あんたがリクトのなんなのかは分かんないけどあんまり調子乗ったこと言わないでくれる?リクトはリクトの生き方があんの、あんたなんかに関係ない。ねぇリクト、もう良いでしょ?こんな女ほっといて、早く行こうよ」


「あ、うん。またね!リヨちゃん」



そう言って2人は歩き出してしまった。



「や、やってしまった…」



私は頭を抱えながら、ガクッと肩を落とした。


明日からリクトくんに顔向けできないよ、リクトくんどう思ったかな?表上の顔してたから本音が読めなかった。もう、どうしよう……!!!

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