第7話

はぁ、リカに隠し事しちゃったな… まぁでも、こんなしょうもない事を話してリカを心配させたくないのが教えにくい理由なんだけれど。



─── ピロンッ



あ、お母さんからだ。



「“ごめん!牛乳、買ってきて”って何回目よ!」



私はブツブツと文句を言いながら帰り道とは逆の方向に歩みを進めた。


すると……



「え… リクト、くん?」



学校から10分ほど離れた道で、リクトくんが女の子と一緒にいる姿を目の当たりにした。



「また別の女の子だ。きっと、さっきの女の子と分かれてまた別の女の子と……」



ってどこまでもクズだな、あの男は。皆んな、あの笑顔に騙されてる。本当は腹黒野郎なのに!!


私はいつの間にか、リクトくんのいる所までガムシャラに走り出していた。


そして、ついに彼のいる所まで辿り着く。



「リクトくん!!!」



私の声に彼が振り向く。



「え、リヨちゃん?」



リクトくんは少し驚いていたものの、いつもの優しい表上の顔で、私の名前を呼んだ。

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