第6話

─── ドキンッ



って私がときめいてどうする!!これは、表の顔のリクトくんなんだから騙されるな私!!!



「分かった!また誘うね」


「うん、ありがとう」



機会はまだまだあるんだから焦らないように慎重に行こう。



-放課後-


「リクトくん!一緒に帰ろ!」


「ごめんね、今日はこの子と帰るから」



リクトくんは隣にいる女の子の方を見て、申し訳なさそうにそう言った。


女の子はリクトくんに腕を絡め密着していた。



「リクト〜 早く行こう」


「うん、行こっか」



リクトくんは女の子に優しい笑みを浮かべて、歩き出した。


はぁ… 今日は全部、断られたちゃったなぁ。



「リヨ、どうしちゃったの?!」



興味津々な眼差しで聞いてくるリカ。



「あー、色々と事情がありまして…」


「事情?どんな?」


「また時間がある時に話す!」



私はそう言って逃げるように教室を出ていった。

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