第9話

ブラド「小さい頃のリースさんか……。可愛かっただろうな……。」


俺は、小さい頃のリースさんを思い浮かべる。


ヒューイ「あぁ、可愛かった。」


ニヤリと笑うヒューイ様。


ファリス「ふふふっ。」


俺とヒューイ様を見て笑うファリスさん。


ファリスさんは、俺やヒューイ様にも一定の距離感を保っている。


未だに慌てたり、取り乱したところを見ていない。


ブラド「ファリスさんの小さい頃は、どんな感じだったんだ?」


ファリス「俺の小さい頃ですか……。」


ファリスさんは呟くと、一口酒を飲むと黙ってしまった。


ブラド「すまない……。答えにくいことだったみたいだな。」


俺が謝ると、


ファリス「いいえ。」


と、にこりと微笑むファリスさん。


ヒューイ「ファリスは、複雑な環境で育った人間だ。詮索はしないでくれ。」


ブラド「はい。」


しばらく黙って酒を飲むと、今朝のことを思い出した。

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