第212話

「見たことないです。」


ブラドも、そう答えた。


「私もないわ。女の子というイメージがわかないから、諦めきれないんじゃない?」


「う~ん………………。」


レミの言葉に、俺は考え込む。


「確かに、それもあるかも………………。」


ブラドは、俺の後ろに隠れるリースを、じ~っと見つめながら言った。


「じゃぁ、女の子姿のリースさんとデートして、しっかり振られてらっしゃい!」


「え~~!何で~~!」


レミの言葉に、リースが声を上げる。


「分かりました!女の子姿のリースさんを見てみたいしな!」


ブラドは乗り気だ。


「まぁ、そうだな。」


俺がそう言うと、


「オレ、やだよ~~。」


と、リースは項垂れる。


「リースさん。言い方がキツくなるけれど、例の件は、リースさんにも責任があるの。だから、リースさんも、ブラドさんに対して責任を果たしてあげて?」


「うん………………。」


レミの言葉に、仕方なく、リースも頷いた。

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