第138話

「ブラド、どういうことだ?最初から話してくれ。」


コージーさんが聞くと、ブラドは説明してくれた。


「はい。俺は昨夜、警備の仕事で城内を点検していました。夜10時頃に、リースさんの部屋の前を通った時、女の人の声がしたんです。」


「夜10時なら、部屋にいたよ。」


オレは、そう答えた。


ヒューイは『ん?』という顔をする。


「ヒューイ君?」


フィリップ王子がヒューイに声をかけるが、


「いや……………………何でもないです。」


と、答えるヒューイ。


「警備上、いくらリースさんでも、誰かを呼ぶなら声をかけてもらわないと……………………。」


しかし、再び厳しい視線をオレに向けるブラド。

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