第97話

二人きりになると、俺はリースを抱き締める。


「うぅぅぅ……………………。」


リースは、俺にしがみついて泣く。


そうして、しばらくの間、俺はリースを抱き締めながら、頭を優しく撫でてあげた。


少し落ち着くと、リースは口を開いた。


「ヒューイ……………………オレは、どうすればいいかな?」


「逃げずに、二人に向かい合うだけだ。」


「うん……………………。」


「すぐには上手くいかないさ。カインとケインの問題は、3年も前からだからな。簡単にはいかないさ。」


「何か、良い方法はないかな?」


「良い方法か……………………。リースは、自分の思うように、やればいい。リースにしかできないやり方もある。」


「うん。」


「俺が見ててやるから、何でもやってみろよ。」


「うん。」


「じゃぁ、まずは…………俺の元気をやるよ。」


「えっ?……………………!!」


俺はリースにキスをした。

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