第95話

リースは自分の客室にいた。


「リース、いるんだろ?入るぞ。」


俺とルミエルが部屋に入ると、リースは部屋の真ん中でうずくまっていた。


「ヒューイ………………ルミエル………………。」


俺達をちらりと見る、リース。


「リース、左手を見せてみろ。痛いだろ?」


リースの側にしゃがんで、左手を取る。


「腫れてるじゃないか。」


俺が声をかけるが、リースは唇をぎゅっと噛み締め、何も答えない。


「…………………………。」


「リースさん………………。」


心配そうに見守る、ルミエル。


とりあえず、俺が魔法でリースの左手を治すと、


「ありがとう。ヒューイ。」


と、小さな声で、リースはお礼を言った。

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