第12話

その後も声をかけられつつ、城の門までやって来た。


すると、身なりの良い背の高い男の人が立っていた。


金髪で青い瞳、フィリップ王子だ。


「待ってたよ。」


「フィリップ王子。俺達が来たのが、よく分かりましたね。」


ヒューイが聞くと、


「あぁ。この国の中に限っては、情報が早いよ。君がファリス君だね?」


と、フィリップ王子。


この国の中に限って?


「はい。初めまして。」


オレが首を傾げていると、ファリスが会釈する。


「晩餐会では、ちらりと見かけることしかできなかったからね。後で、ゆっくり話をしようか。」


「はい。喜んで。」


フィリップ王子が微笑むと、ファリスも微笑んだ。

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