第10話

「ファリスは俺とフィンのことは、知ってるね?」


「はい、もちろん。」


「リースには自己紹介した方がいいね。オレはエドワード。今、二十歳だよ。この国は平和で自由だから、町に出歩いたりしてる。ヒューイとは、昔からの知り合いだよ。そして、こっちが…」


「フィンです。エドワード様のお世話をさせて頂いています。二十四歳です。よろしくお願い致します。」


フィンは会釈をする。


「リースはヒューイの一つ下だから、十七才だね?」


「うん。」


「ヒューイに命を助けられたんだよね?」


「うん。」


「剣が一人前に使えるようになったら、一緒に旅をする約束をしてたんだよね?」


「うん。オレのこと、ヒューイが話してたんだね。」


「聞いてたよ。今どうしてるかな~って、ヒューイはいつも言っていたよ。」


「えっ、そうなの?ヒューイ、会った時「やっぱり一緒に旅はできない。」って言ったんだよ~。」


「そうなのか?ふふっ、それだけリースのことが大事なんだよ。な、ヒューイ?」


「エド、余計なことは言わないでくれよ。」


ヒューイは少し、ムッとしている。


「ところで、何で男の子の格好をしてるんだい?」


「知り合いの勧めでしてるの。女の子の一人旅は危ないからって。」


「そうなんだね。でも…ヒューイと一緒になったから、もう女の子の格好でもいいんじゃない?」


「う~ん。落ち着かないから、まだこのままかな…。」


「そっか。」

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