第27話

「あの子は…サリーは両親を病気で亡くしました。今は教会で世話をしていますが、サリーも病気になってしまいました。」


「治らないの?」


「手術をすれば治る可能性もあります。それでも10%くらいの生存率です。」


「10%……。」


「でも、今は手術を受けることもできません。」


「なぜ?」


「お金が…手術を受けるためのお金が足りないのです。」


「そうですか……。」


その夜、ベッドで横になるが、いつまで経っても眠れなかった。


明け方、一人教会を抜け出すと、セロのお墓の所へ向かった。


海の見える場所にある、セロのお墓。


薄暗かった辺りに、夜明けの光が差し込んできた。


夜が明ける……。


セロの墓標が朝日に照らされる。


『マニュ……前を向け……。』


優しいセロの声がした。


セロ……私の傍にいてくれるの?

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