第26話

そうして1か月が過ぎた頃…。


今日も一日セロのお墓の前にいる。


「セロ、会いたい……。」


「お姉ちゃん。お姉ちゃんの恋人に会ったら、何か伝えて欲しいことはある?」


「え?」


急に5、6才くらいの女の子に声をかけられ、振り返る。


そこにはニットの帽子を深くかぶった女の子が立っていた。


「シスターにね、お姉ちゃんの恋人が亡くなったんだって聞いたよ。」


「えぇ……。」


「私ね、手術しないと長生き出来ないんだって。手術しても、助かるか分からないって言われてるよ。」


「えっ……。」


突然の女の子の言葉に戸惑っていると、女の子は話を続けた。


「私が死んだら、お姉ちゃんの恋人に会えるでしょ?だから、何か言いたいことがあったら、伝えてあげるよ?」


「私は……。」


私が答えに困っていると、シスターもやって来た。


「マニュさん。教会に戻りましょう。」


そうして一緒に教会へ戻り夜ご飯を食べた後、シスターに女の子の話を聞いた。

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