第14話

後を追うと、マニュを担いだ男は大きな建物の中に入っていった。


建物の中からは、次々と抜き身の剣を持った男達が出てくる。


「ボスは、これからあの女とお楽しみだ。邪魔をするなよ?」


「……ゾクシー一味か。」


くそっ!


嫌な予感が当たった。


……マニュだけは……何があっても助ける。


セロは剣を抜くと、近付いてきた男を切り捨てる。


「殺せ~~!」


「うぉぉ~~!」


男達が叫びながら向かってくる。


一人一人は弱い。


でも30人程いるため、休む間がない。


人を斬ることに抵抗は…あまりない。


自分を殺しにくる相手なら。


誰でもいいから殺したいという殺人狂とは違う。


今まで誰一人殺したことはない、と嘘をつくつもりもない。


自分に向かってくる相手を殺したことはある。


重傷を負わせたこともある。


しかし今は、ゾクシーを殺したいと心の底から思う。


俺にもこんな衝動があったんだな……。


マニュ……。


マニュを助けるためなら、俺は……。


外にいる連中を始末すると、セロは建物の中へ入った。

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