ゾクシー一味
第10話
海の見える町への道中、夕暮れ時に、言われていた町に着いた。
確かに治安が悪いようだ。
町の入り口からすでに、雰囲気がよくない。
目つきの悪い男達が、二人をジロジロと見てくる。
二人は更に気を引き締めると、町の中へ。
ごろつきが多いようだが、露天などの店も多い。
「マニュ。とりあえず、宿を取ろう。」
「えぇ。」
そうして、大きな宿屋にやって来た。
「二人部屋を借りたい。空いてるか?」
「はい、大丈夫です。すぐに案内しますね。」
と、受付の男が言うと、近くにいた年配の女性従業員がすぐに来た。
「部屋まで案内しますね。」
物腰が柔らかく、落ち着いた雰囲気の人だ。
「この部屋になります。」
と、鍵をセロに渡す女。
「少し話を…いいですか?」
セロが声をかけると女は、
「はい。」
と、頷いて部屋に入った。
「この町は、治安が悪いと聞いたけど…実際はどうなんだ?」
「そうですね……。一部の人間が…〝ゾクシー〟一味がいますね。」
「ゾクシー一味?」
「あまり大きな声では言えませんが…。」
と、ゾクシー一味について説明してくれた。
「ありがとう。」
セロは女性従業員にチップを渡す。
「お嬢さん、くれぐれも気をつけて下さいね。それでは失礼します。」
会釈をすると、部屋から出て行った。
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