第6話  君となら

なぎさが「圭祐・・・」と家の外から声を掛けた。

圭祐が「何だよ。また、なぎさか」と頭がぐちゃぐちゃの中、手櫛で整えた。

和歌が「うん?なぎさ?どうしたの?」となぎさの方を見た。

なぎさが「あ、おはよう。和歌」と話し掛けた。

圭祐が「んで?何々だよ。こんな朝っぱらから」と頭を掻きながら、なぎさを見下ろした。

なぎさが「これ?良かったら、ジュース一緒に飲んで散歩でも行こうかなと思ってさ」と笑いかけた。

和歌が「圭祐、行って来たら?私は、まだここで寝て居るからさ。ふあー」と一つ欠伸をして圭祐に手を振った。

圭祐が「しょうがないなぁ。今日だけだぞ」となぎさの居る外に出て行った。

なぎさが「ほれっ、良かったら、散歩しよう」とレモンスカッシュを圭祐に渡して散歩に出た。

圭祐は「レモンスカッシュ、サンキュー」と笑って、返事を返した。

レモンスカッシュを圭祐が開けた瞬間、プシューっという音で圭祐の顔にレモンスカッシュの汁が顔に掛かった。

圭祐は「なぁ?どうして、なぎさが僕を呼んだのか分からないけど」と話をすると、なぎさが何かを言いたそうにしていた。

なぎさが「あのね?今度、お父さんの転勤で行かなきゃならないの。今の学校から少し遠いけど、転校しないとならなくなってね」と圭祐に話を持ち掛けた。

圭祐が「そうか。大変なんだなぁ。まぁ、ゆっくりでも良いから新しい所でも頑張れよ。時々寂しいからこっちにも顔を出せよ」と優しく声を掛けた。

なぎさが「ありがとう。今日は夜に会えて良かった」と圭祐に笑顔で話して、その場を去って行った。

圭祐は涙を何故か流していた。

なぎさに最後メールで「新しい所でも頑張れよ。何か有ったら僕に言ってきな」と言う返事を携帯に残した。

その後、なぎさは「ばいばい。またね」と言って、手を振って圭祐と和歌は、なぎさが見えなくなるまで見送った。


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