第7話 君のかさぶた
圭祐が「なぎさ?あれ?行ったんじゃないの?」と驚いていた。
和歌が「本当だ。行ったんじゃなかったんだ」となぎさを見て思っていた。
なぎさが「あのね?私、やっぱり此処に残ろうと思って帰ってきたの。お父さんたちには後で仕送りが来ると思うから」と和歌達に話をした。
和歌が「それなら良いけど・・・、あまり一人でホームシックになったら家に何時でも来て良いからね」となぎさに話し掛けた。
なぎさが「ありがとう。やっぱり、持つべきものは友達だな」と笑顔で話をした。
圭祐が「僕は、なぎさが凄く無理をしているようにも思うよ」と声を掛けた。
和歌が「そうかな?やっぱり?私もそう思ったよ」と圭祐に話し掛けた。
圭祐が「無理だけは、しなきゃいいんだけど」となぎさのことを心配しつつも、今日は家に帰っていった。
なぎさは「あぁ~、今日も疲れた。どうしようかな」と携帯を眺めながら横になっていた。
圭祐が目に入ったが、なぎさは「やっぱり、和歌に連絡をしようかな?」と迷っていた。
和歌が「携帯が鳴っている。誰だろう?」と携帯に視線を移すと、そこには、なぎさが「暇暇暇」と言う連打の文字が返って来ていた。
和歌が「いったい何の騒ぎ?あんまり、うるさくしないでよ」とメールをなぎさに返した。
なぎさが「ごめん。たださ、一人暮らしって初めてだから、慣れなくてさ」と和歌にメールを返信した。
和歌が「確かにそうだけど、あんまりうるさくして他人に迷惑を掛けるのは、どうかと思うよ」となぎさに注意をした。
なぎさが「そうだよね?寝るところだったよね?分かった。お休みなさい」と携帯の充電を始めた。
圭祐が「ため息ついてどうした?」と和歌に声を掛けた。
和歌は「え?それがさ、一人暮らしが慣れないのか「暇」って字を何回もメールで打ってくるから、うるさいのなんのって思っただけよ」と圭祐に事情を話した。
圭祐が「しょうがないだろう?なぎさも一人暮らしが慣れないんだから、少しは広い心で見てやったらどうだ」と和歌に提案をした。
和歌が「そうね?今日は大目に見るけど、これが今後続くようだったら、なぎさと友達を辞めちゃうかもしれないね」と思わずキツイ言葉が漏れた。
なぎさが「あんなに怒らなくてもいいのに」と和歌のことを想っていた。
優希から「お母さん。なぎさが一人でいるって聞いてから心配で、ちゃんと玄関を鍵閉めた?ご飯はちゃんと食べているの?」と心配のメールが届いて居た。
なぎさが「ありがとう。やっぱり一人じゃ寂しいよ。友達の和歌にまで迷惑を掛けちゃって、本当はイケナイって分かって居るんだけど」と優希にメールを返した。
優希が「やっぱり、私達の元で暮らした方がいいわ」と言うメールが届いた。
でも、なぎさは「大丈夫。なにかあったらまた連絡するよ」と普通のメールを返し、その日の夜は安らかに眠りに就いた。
次の日の朝、新聞が郵便受けに入っていたので、なぎさは「何だろうな?」と暗い顔で、新聞を取った。
そこには仕送りのお金が入っていて、生活費のやり繰りをしていた。
なぎさは、「お父さん、お母さん、ありがとう」と仕送りのお金を見て、日々感謝の念を抱いていた。
なぎさは、いつものルーティーンで散歩に出ていた。
新しい運動靴に履き替えて、タオルを首に巻いて、ジャージ姿で散歩道をスタスタと歩いていた。
そこに圭祐が来て「お、なぎさ?今日も散歩か?精が出るな」と一緒に横に並び歩く姿が見えた。
和歌が「お兄ちゃん、ご飯ができたから家に帰ってきて」と圭祐に話し掛けた。
なぎさが「圭祐、和歌が呼んで居るよ」と圭祐に声を掛けた。
圭祐が「おう。またな」となぎさに手を振っていた。
なぎさはしばらく歩いた後、タオルで汗を拭きながら散歩道を引き返して家へと帰って行ったのだった。
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