第88話
今回の発砲事件を大々的に報じたのは、これ以上隠し通せない被害が出ないようにだろう。
「一般人が死亡した、なんて報じたら警察とヤクザの関係性が知られることになり兼ねない。だから、組同士の抗争という体で堅気やその他の組に危機管理を持たせる」
これ以上表立って暴れないでねって。
「メディアと警察庁長官の動きとしては、そうなると思います」
林田組と日本の警察は協力関係にはない。
前述の通り、政府が庇いきれない非道を行っているし、自分達に被害が出てしまう恐れがある。
だがうちの組とは大いに関係があった。
秘密裏に揉み消して貰いたい案件を政府から警察に、そして俺達の元へと渡っていく。
「うちも一応やることはやってるけど実際は堅気を守る為にやっている。でも世間から見ればみんな怖いヤクザさんだもんね」
まとめられた書類をパラパラとめくって、文字だらけの紙を投げ捨てた。
「若、きちんと読んでください」
「文字多いし、俺は勉強嫌いなんだよね」
「の割に、高校時代は成績トップだったじゃないですか」
それはいつもちゅうに褒められたからだ。
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