第76話

「?はい」


少し頬が赤い気がする。


部長はそれだけ伝えると、また社内へ戻っていった。


「……何だろう」


「ズビッ…あれはどうみても告白じゃん…」


「え?なに、美梨亜ちゃん」


「姐さん良い女過ぎてモテてるって言ったの」


「え〜?」


お弁当100個はそう時間もかからずに売り切った。


片付けも終わらせ、後は帰るだけになり、私は美梨亜ちゃんと別れた。


「なんかあったらマジで飛んでくるから」


「ふふっ、今日も庇ってくれてありがとうございました」


ブンブンと音が鳴りそうなほど手を振る美梨亜ちゃんに、私も手を振り返しながら踵を返した。


会社近くの大きな公園。


そこで待っていて欲しいと言われた。


部長にこっそり耳打ちをされ、ほんの少し周りから悲鳴のような声が聞こえてきたが、あんなことしなくても私は耳いいはずなんだけどな。

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