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第63話

……………


「だから、入学式はきちんとした格好でと言っただろうが」


「えー別にいいじゃない、髪色自由なんだし」


「入学式から金髪の奴はいねーんだよ」


「中学の時から金髪だけど」


「いつから金髪かは聞いてねーんだよ。とりあえずお前は保健室にいろ!あ、タバコ吸うなよ。バレっから」


「それはどうかな?」


「お前なぁ…」


頭を抱えて、トボトボと保健室を出ていく教師の後ろ姿を見送り、窓の縁に座った。


高校生活初日。入学式。


目の前は桜が満開で、開けた窓からヒラヒラ花びらが舞い降りる。


「風流だね」


こんな天気のいい日に花見も出来ないなんて。


学校のお偉いさんの話を長々と聞いて何が面白いんだか。


それよりこの学校で、俺に逆らえる奴はいないだろう。


さっきの教師も、うちの組の幹部の息子で、幼い頃からいた兄のような人だ。

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