第61話
「うわ、美味そう。若、先に選んで下さい」
雪那は弁当を並べながら、お茶を汲みに行ってしまった。
「俺はいいから、先に食べ……」
言葉がでかける前に、俺は一つの弁当を手に取った。
「若、それ食べるんですか。男子高校生の弁当見たいっすね、それ」
おかずが全部茶色のもので出来ている。
彩といえば肉じゃがの人参といんげんぐらいだ。
「四季」
「んぐっ、はい」
もう既に弁当を頬張りながら、四季はこちらを見た。
「その弁当屋、誰がいた?」
「30半ばの店主と、若と同じ歳くらいの可愛い人ですかね」
「可愛い人?」
「四季がガン見した後ナンパしたんですよ」
「ナンパじゃなく、正直な感想を言ったまでです」
雪那が湯呑みを置くと、四季はすぐに茶を飲み干した。
俺は弁当の蓋を開け、唐揚げを箸で掴む。
ほんのり甘く香ばしい匂いと、唐揚げにしては少し大きいサイズ。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます