第60話
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「ただいま帰りました」
「うぃっす」
「ちゃんと言え!」
背中越しに聞こえた声に、俺は椅子から立ち上がった。
コツコツと革靴を鳴らして、二人に近付くと静かになり頭を下げた。
「若、遅くなり申し訳ございません」
「申し訳ございません」
「何それ」
二人は袋を持っており、それを近くの机に置いた。
「聞き込みに行った所が弁当屋でして、良ければ持って行ってくれと」
「めっちゃ美味そうでしたよ。犯人の手がかりは全く掴めませんでしたが」
余計な事を言うなと、四季は頭を打たれているが、まぁそれもそうだろうな。
深夜に行われた抗争だ。
俺達は夜だから動くものだが、堅気はそうじゃない。
発砲事件とはいえ、今回は消音銃が使われたらしいから音が聞こえたとしても僅かだろう。
何か落ちたかぶつかった、ぐらいの程度だ。
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