第58話

「多くなっちゃいましたね」


「育ち盛りだから全部食べてくれるはず!」


袋を3枚持ってきて、お弁当を入れると、まだ喧嘩中の二人の元へ持って行った。


私の気配に気がつくと、雪那さんは穏やかな表情に変わる。


「うわ、こんなに」


「やっぱり多すぎましたか?」


「いえ、他にも組員いるんで助かります」


組員?


頭に疑問が浮かびこむ前に、四季さんは首を傾げて私の顔を覗き込んだ。


じっと、ただ無言で私の目を見つめられ、私も逸らせず固まった。


「おねーさん」


「はい…」


何だろう。


四季さんはあっさりしてるというか、怖いもの知らずな感じがして何を考えているのかよく分からない。


知り合ったばかりというのもあるんだろうけど、雪那さんは感情がよく表に出て分かりやすいが、四季さんは基本真顔というか…

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