第54話
「大丈夫っすか」
「あ、はい。大丈夫です」
黒い髪で、高校生くらいだろうか。
口に一つピアスが付いていて、ダルそうにパーカーのポケットに手を突っ込んでいる。
「あの、ちょっと聞きたい事があるんですが」
もう一人の方は、白っぽく抜いた金髪に、サイズの大きめな柄物の服を着ていた。
さっきまで荒っぽい口調だったのに、今はとても丁寧だ。
「聞きたい事?」
「はい。最近ここの地域で発砲事件があったの知ってますか」
「あ、さっきニュースで見たやつかな」
「多分そうかもしれないです」
タイムリーだな。
なぜそんなことを聞くんだろう?
黒髪の男の子は、徐にキャンディーの包み紙を剥がして口に咥えた。
「鬱陶しいぐらい報道されてますからね。そんな騒ぎ立てるほどじゃないのに」
「おめーは黙ってろ」
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます