第42話

「……」


……もう、二時間も経ったんだ。


言い知れぬ心配と不安が襲って、手を握りしめる。


「ちゅう、この後予定あるの?」


「え?」


「さっきから、しょっちゅう時間確認してるから」


「100回は見てたんじゃないか?」


「もっとよもっと」


そんなに見てたのかな…


動揺を悟られたくなくて、残りのお酒を飲み干そうと思ったがもうすでに空だった。


大人がそばについてあげないとって、反省したばかりなのに一体何してるんだろ。


いくら限界を感じたって、右も左も分からない赤ちゃんに当たってるだけじゃない。


また無意識にスマホの電源をつけると、春は見かねたように溜め息を吐いた。


「ちゅう、早く帰りなさい。何があるのか知らないけど、私達のことはいいから」


「本当は寂しいくせに〜。井川の奴、ちゅうに誘われたってはしゃいで……ってぇ!」

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