第40話

付き合ってる時から反対されていた。


結婚した後も良く相談に乗ってもらい、不倫が発覚した時もしっかり証拠を集めようと助言をくれたのは、この二人だった。


探偵を雇うお金も無く、約一年の結婚生活は、全て証拠集めに専念することになった。


「確か実家のアパート近かったよな。一人で住んでるのか?」


店員さんがやってきて、素早く割れたジョッキと新しいビールを交換する。


それをぼーっと眺めて、去り際に小さく頭を下げた。


「娘と…」


「ゴホッ」


次は花奏君がハイボールを吹き出し、春は頭を叩く。


「娘というか妹というか…」


「妹?あんた何言ってんのよ。ずっと一人っ子だったでしょ」


「今できた…?みたいな…」


「この子ダメだわ」


「相変わらず酒弱いなちゅう。酔ってんなこりゃ」

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