第38話

「うん!今日は私が誘ったんだし、私の奢りだから」


「よっしゃ。じゃあこっからここまで……」


「ちょっと、無理無理」


こんなひと時はいつ振りだろうか。


まるで学生時代のあの頃に戻ったようだ。


尽きない世間話や仕事の愚痴をこれでもかと話をした。


「おっす、お待たせ」


「遅いわよ!早川!」


「花奏君、お疲れ様」


「すまんすまん、久しぶりちゅう」


ネクタイを緩めながら、ワシワシと頭を撫でられる。


私と春の間にある席に座った。


「いや〜、結構遅くなったわ」


「急に誘ってごめんね」


「いやいや、久しぶりに会えて嬉しいよ!」


春がお手洗いに行ってしまっている間に、注文していたビールとマンゴーサワーが届いた。


躊躇なく春が頼んだビールを飲む花奏君は、きっとこの後怒られるんだろう。

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