第26話
「部長、すみません。ご用件とは」
「再来月の新企画プロジェクトなんだが」
マル秘と書かれた、束になった書類を机に置かれた。
そういえば今日の朝礼会議で、大きいプロジェクトがあるって話していたっけ。
まだ新卒一年目の私には任されない仕事だろうと思って、碌に聞いていなかった。
「その一員に若葉君を入れようと思う」
「え?」
まさかの相談だった。
てっきり有給は前もって言うようにと、注意を受けるかもしれないと思っていたから。
でも、これに参加すれば任される仕事も増えて、生活もある程度安定するかもしれない。
莫大な借金と美憂の養育費、そして自分の生活費…
天秤にかけるまでも無い。
「もちろん、やらせていただき…」
開きかけた口が止まった。
普段なら即答できるはずの答えが、私にストップをかけている。
帰りは?きっと遅くなる。
24時間体制の保育園じゃないし、何より一日の大半を一人にさせてしまう。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます