第25話

「若葉君」


「はい、はい。少々お待ち頂いてもよろしいでしょうか。……部長、どうされましたか?」


送話口を手で抑えて、後ろに立つ上司を見上げた。


若くして部長まで登り詰めた、社内では少し有名な人だ。


「その電話が終わり次第、ちょっといいかな」


「はい、分かりました。……お待たせ致しました、それで企画の進行状況ですが」


なんだろうか。


呼び出されること自体初めてで、緊張する。


ダメだ。今はこっちに集中しないと。


パソコンとスマホでのやり取りが多く、目の疲労が激しい。


本日何度目か分からない目薬をさして、またキーボードを叩いた。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る