第22話

「だから見なきゃ良かったのに…」


一人で勝手に見ときながら何言ってんだろう。


……切り替えよう。


暗くなりかけた気分を振り払うように、頭を横に振った。


実家に戻り、次は母子手帳を探した。


「あぅ、ぶー」


「ちょっと待ってね」


古いタンスの中の物を引っ張り出しながら、声にならない声をあげる美憂の相手をする。


棚の中はチラシやガラクタがたくさん入っている。


ボールペン、チラシ、溶けてパッケージに張り付いたキャンディ、謎のポーチに刺繍糸。


「ないのかなぁ…ってあった!」


昔の古い雑誌の間に挟まっていた。


大事な物なのにこんな雑把にするなんて。


相変わらずいい加減な両親に、私はまた腹が立つ。

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