第16話

「詳しいんですね」


「うん。うち高2なんだけど息子いるんだ〜。ちょっと待って」


ポケットからスマホを出し、素早く操作を始めた。


ネオンピンクのロングネイルは、大きなパーツが画面に当たってカチカチと音を鳴らす。


「見て見て!うちの息子二歳なの。可愛くね?」


彼女と一緒にピースをする男の子がいる。


二人ともよく似た笑顔で、顔も土で汚れているが、楽しそうなのが見て取れる。


彼女は保育園の芋掘りの時の写真だと説明してくれた。


「だからさ、一応子供のことはちょっとは知識あるんだ。哺乳瓶とかおしり拭きとかある?」


「いや、全然無いんです。必要なものとか色々教え…」


私は途中でハッとした。

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